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ヤフオクに出品されていた肥後氏のNWAベルトについて

*画像はのちほどアップします。

チャンピオンベルト専門店を名乗る以上、こういった物についても情報を発信していくべきだと思いました。

7月下旬に、「肥後宗典氏がハーリー・レイス氏から譲り受けたNWAベルト」というものがヤフオクに出品されました。85万円弱の高額落札額は、入手の経緯などから非常に貴重と判断されたからでしょう。

ですが、商品説明や質問回答などであまり明確にされていない点がいくつかありましたので、勝手ながらはっきりさせていきたいと思います。

なお、以下については出品ページの写真・記述と、NWAレイスモデルの歴史を追ったディック・ボーン著『Ten Pounds of Gold – A close look at the NWA World Championship Belt』をもとにした私の見解です。取引に影響しないよう、出品者と落札者の間で評価が交わされ取引が完了したのを確認したうえで投稿いたしました。

1. このベルトはNWAで実際に使われていたものなのか

かなりの高額で落札されたことを考えると、おそらくNWAで実際に使用されたベルトだと期待された方が多かったと思います。しかし残念ながら、このベルトは絶対に違うと断言できます。

というのも、いわゆる❝レイスモデル❞のベルトでNWAで実際に使われていたのは1本だけで、そのベルトは「狂乱の貴公子」リック・フレアーの所有物としてアメリカのノースカロライナ州シャーロットにあるクイーンズ・ギャラリーという美術館に所蔵されています。

NWAで使われていた1973年から1986年の間にレイスモデルは革を張り替えられたりしましたが、プレートは常に同じものでした。

出品されたベルトは本物とよく似たデザインながら非常に軽量です。土台とパーツの間に隙間が無いのを見るに、おそらく薄い板金で作られたのだと思います。

2. このベルトはパネル写真で肥後氏が腰に巻いているものか

パネル写真で肥後氏が腰に巻いているのはNWAで実際に使われていたベルトです。レイス氏と一緒に写っている事はもちろんですが、何よりの証拠は中央プレートの地球にある凹みです。詳しくはディック・ボーン著『Ten Pounds of Gold – A close look at the NWA World Championship Belt』をぜひお読み下さい。

出典:http://page13.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/r157483273

出典:http://page13.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/r157483273

その他の証拠として出品ページに掲載されていた画像だけで判断できるものでは、中央プレートの米国旗の上にある「U.S.A.」の違いがあります。

で、先述した通り、出品されたベルトは実際に使用されたものではありません。よって、写真に写っているベルトと出品されたベルトは別物です。

3. このベルトの由来は?

もちろん私には一切詳細は分かりませんが、サイドプレートや革ストラップの特徴から推測する限りではメキシコ製ではないかと思います。メキシコはルチャリブレ発祥の地とあってマスクだけでなくチャンピオンベルトの製作も盛んです。

当店のお客様によると、テリー・ファンクも同様のベルトを来日時に持ってきて親衛隊の方にプレゼントしていたそうです。名レスラーから直接プレゼントされたとなれば、確かに稀少で価値のあるものですね。

拙筆ながら、今回出品された「肥後宗典氏がハーリー・レイス氏から譲り受けたNWAベルト」について私が言える事は以上です。


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